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NO.241 「経絡現象学」と「医学概論」をめぐる 「十河ー甲斐 医術問答」≪その3≫ 

No.241
「経絡現象学」と「医学概論」をめぐる

「十河ー甲斐 医術問答」③ 

           (2013.08.22発行「中井正一研究会会報準備号」第120号より)

≪その3≫


第一夜

1.「経絡現象学」という命名について

甲斐) 一つ教えてください。「経絡現象学」という名前を付けられたのは?

十河) それは僕が付けたんだよ。

甲斐) 「経絡」に「現象学」をくっつけられたのですね。

十河) 要するに、現象として捉えたんですよ。

甲斐) 私たちは、「現象学」と付くと、フッサールとかハイデッガーとかいったところと関係づけて考えたくなるのですが。

十河)(笑)いやいや。

甲斐) たぶん関係があるでしょうね。

十河) どうかね? 単にね、精神医学の中に「現象学」というジャンルがあるんだよ。

甲斐) ヤスパースとか。

十河) うん、そうそう。

甲斐) ヤスパースはフッサールの弟子に当たります。

十河) じゃ、それにつながってるんだね。

甲斐) つながりますね。現象をありのままに捉えるという方法ですね。先入観とかいろんなもので歪んでいるのを取り去っていく、するとほんとうの姿が現われてくる。

十河) そうそうそう。そうだよ。

甲斐) フッサールからヤスパースへ、ですね。

十河) 現象学は、あくまでも、その人だけじゃなくて、すべての人たちに追体験できるようにするんだよ。

甲斐) ところで、西洋医学は「現象」というものを重視しませんよね。現象の背後には病因があって、その病因をつきとめなければ診断を下せない。病因をつきとめることこそが肝要なのであって、現象面だけに囚われていてはいけない、ということになります。そうした「病因論」といいますか、そうしたあり方に対して、「経絡現象学」は真反対の方法をとっています。

十河) 僕はね、分析したりするのではなく、現象は現象として素直にとらえるんだ。しかも、そういう現象を追体験するのは誰でもできる、そして、いつでも誰がやっても同じ結果が出る。そういうものが僕の現象学で、持論なんだ。

甲斐) 「経絡現象学」を名乗られたのはいつからですか。

十河) あれはもう大分前だよ。昭和47年ぐらいから一生懸命にやろうとしていてね、で、経絡現象学という名前を付けたのはそれからずっと後だな。昭和50年代だね。

甲斐) 魅力的な命名ですね。

十河) あ、そうですか?

甲斐) この「現象学」という名前をめぐって、いろんな人が参加して来られるんじゃないでしょうか。知られていけば。

十河) いずれにしても、僕はそういう立場でやっていますよ。

甲斐) これは、やっぱり、精神医学の発想の中から出てきているわけですね。

十河) うん、そうだね。

甲斐) 敢えて言ってしまえば、ヤスパースですね?

十河) うん、ヤスパース。しかし、僕は精神病理学ではないからね。神経科学だからね、もともと研究していたのは。

甲斐) この「中井準備号」の第百十八号では、私の研究仲間の藤井祐介さんがヤスパースについて触れています。彼は『精神病理学総論』について書いています。その方面からベルクソンに言及しようとしているのですが、十河先生の「経絡現象学」も、そういう大きな流れの中から出てきたものかなと私は思っています。

十河) 精神科は、現象学だ、という考えだよ。

甲斐) それしかできませんよね。

十河) うん、それしかできない。

甲斐) より哲学に近くなるんですね。

十河) だけど、大事なのは、誰でも追体験できるということなんだよ。それから、いつやっても、誰がやっても同じ結果が出る、ということだよ。それが原点だね。

甲斐) どうも、ありがとうございました。一度聞いておこうと思っていたんです。こうしたことを聞かれたこと、ありますか?

十河) いや、聞く人、いないよ(笑)。

甲斐) 精神科と東洋医学の合体ですね。

十河) 方法として似たところがあるんだよ。精神医学と東洋医学は。

甲斐) いや、これは面白い。


(つづく)
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「ジュノーの会」は、世界のヒバクシャ支援とくにチェルノブイリ原発事故の被曝者支援に取り組む広島県府中市の市民団体です。会の名前は、被爆後の広島に医薬品15トンを届け、被爆者の治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなんでいます。博士の精神を受け継ぎ、86年のチェルノブイリ原発事故の被曝者支援のため88年に発足しました。会員数は全国に約500人。これまでに延べ約200人の医師を現地に派遣し、甲状腺がんなど1000人以上の患者を診療、一人ひとりの患者さんにカルテ報告を行い、同時に小児白血病治療、血液感染症予防などの医療協力活動、またヒロシマとチェルノブイリのヒバクシャ交流を進めるなど、被災者の側に立った援助活動を続けています。チェルノブイリ被災者市民団体との強い協力関係もあります。

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