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NO.220 「子どもたちが10分、20分居た後には髪の毛がゴソッと落ちていることがある」。見かける子どもはみな痩せて細く、ハッとするほど血の気がない――1994年5月3日、ウクライナ放射線医学センターにて――

NO.220
「子どもたちが10分、20分居た後には髪の毛がゴソッと落ちていることがある」。見かける子どもはみな痩せて細く、ハッとするほど血の気がない
――1994年5月3日、ウクライナ放射線医学センターにて――

(「ジュノーさんのように」第37号)

5月3日。ホテルより車で10分ほどの所にある放射線医学センターで朝食。大きな木立ちに囲まれた広大なサナトリウムと研究所のある建物。元官僚たちのアパートであったとか。マンナヤカーシャというオートミールのようなスープは初めて。そこには高汚染地区からきた血液疾患の方たちが多くいるとか。広く長い廊下には緑の観葉植物がたくさんおかれ、ハイビスカスのような南国のものまで見られ潤いを与えていた。
 この日はまずキエフ医療界のトップ、ロマネンコ氏を表敬訪問。戸外は雹まじりの雪が激しく降りしきっている日。氏はエリツィン大統領のような雰囲気をもった、いかにもスラブ民族の典型を思わせるような威厳を感じさせる方である。一同かなりの緊張、しかし、きびしい表情の中にも話し方は穏やかで「3日前までは大変暖かかったのに、あいにく今日はとても寒い。その早い回復を遠来の貴方がたのために神に祈る」と前置きされ、事故直後はいろんな国が援助の手を差しのべてくれたが、今は遠ざかっている。日本からの援助には心から感謝している。他の国はデータをもらうためだけが多い。大人より子どもだけが頭髪が抜け落ち、なぜか後頭部が薄くなり、頭頂部が丸く禿げる。子どもたちが10分、20分居た後には髪の毛がゴソッと落ちていることがある、と話していた。最後に、本当に日本民族には心から深く感謝申しあげると、黒皮表紙の大きなロシア語の聖書を手渡してくれた。ウクライナは熱心なキリスト教国である。
 部屋を出てカーペットを敷きつめた長い廊下を歩く。日本製の白血球を調べる器具が置かれていたが、比較的操作の簡単なもので、日本では現在もっと大きなものを使っていると江口医師。そこは150人くらいの子どもたちが入院しているらしい。見かける子どもはみな痩せて細く、ハッとするほど血の気がない。まるで蝋のような肌に驚く。院内は適度な温度が保たれていたが、窓外はようやく芽吹いた樹木に雹が降り続いていた。(後略)

(而立書房7月刊行予定『ジュノーさんのように』第6巻所収、二河瑩子氏の訪問記より)



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「ジュノーの会」は、世界のヒバクシャ支援とくにチェルノブイリ原発事故の被曝者支援に取り組む広島県府中市の市民団体です。会の名前は、被爆後の広島に医薬品15トンを届け、被爆者の治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなんでいます。博士の精神を受け継ぎ、86年のチェルノブイリ原発事故の被曝者支援のため88年に発足しました。会員数は全国に約500人。これまでに延べ約200人の医師を現地に派遣し、甲状腺がんなど1000人以上の患者を診療、一人ひとりの患者さんにカルテ報告を行い、同時に小児白血病治療、血液感染症予防などの医療協力活動、またヒロシマとチェルノブイリのヒバクシャ交流を進めるなど、被災者の側に立った援助活動を続けています。チェルノブイリ被災者市民団体との強い協力関係もあります。

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