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NO.218 お医者さんは魔法使い

NO.218 
お医者さんは魔法使い

『ジュノーさんのように』第3巻「原子力発電所の爆発事故から6年目の子どもたち」(而立書房刊、ジュノーの会編、税込1,575円)の33頁から引用します。放射能でお悩みの方は、あれこれと個別にお悩みになるばかりでなく、ぜひ、『ジュノーさんのように』を手がかりにして、チェルノブイリ医療支援問題の全体像に目を向けてみられるよう、お勧めします。

お医者さんは魔法使い
 ――キエフ市内の教師―― レシチコ・ヴァレンチナ


 バイオリン演奏者の指先がバイオリンの棹に触れるように、そのお医者さんは、鋭敏な指先で私の脈に軽く触れ、全神経を集中させて心臓の響き、体中の神経細胞の響きを調べます。そして今度は、小さな鎚で、神経の弦(経絡)に沿ってたたき、再び脈を診ます。
 魔法を思わせるこのような意外な行為が15分間ほど続いた後、体の正確な状況、つまりどこが病気になっているのか、どのようにそれぞれの器官が通じているのか、神経系がどのような状態にあるのかを示してくれます。
 このすばらしい魔法使いのようなお医者さんのお名前は“十河(そごう)先生”と言います。十河先生は、珍しい一種独特な薬で治療されます。それは先生の病院で長年の医療実践のなかで考えだされたものです。錠剤でも水薬でもなくて、それは小さな正方形の貼り薬です。
 そして、この貼薬(てんやく)を十河先生の助手の方が、素早く正確な動きで、体の決まったツボに貼ってくださいます。アッという間に終わり、その後は、もう自由に自分のことをしてもいいのです。この貼薬は、肌を通して体に作用し始めます。2週間ぐらい経つと体が強く健康になったように感じます。気力、活力がみなぎってくるようです。
 十河先生のところで、チェルノブイリ原子力発電所の事故後、放射能を浴びたキエフやチェルニゴフの子どもたちが治療を受けました。(滞在中の)約2週間で、驚異的なことに子どもたちは、自分自身一段とよくなったように感じたそうです。
 私と夫は、ジュノーの会、特に責任者の甲斐さんの招待でキエフから治療のためにきました。私はもう3年前から甲状腺の病気を患っており、神経系と呼吸器の障害があります。まる1ヵ月以上、先生方は根気よく、粘り強く治療を施してくださいました。十河先生は、脈診をされ、杉原先生は、日本式の針をしてくださいました。この杉原先生も魔法使いのお医者さんです。杉原先生は、入念に、そしてたくみに治療してくださいます。細い針を体にさし(痛みはありません)その針の先端部につけた薬草に火をつけます。心地よいぬくもりを感じ、薬草の匂いが体中に広がります。
 私は、薬(注:ウクライナから持参されていた睡眠薬などのこと)がなくては一日でも生活ができなかったのですが、その使用をやめました。私は、完全に先生方に従い、先生方を信じました。そのうち、だんだんと体力が戻ってきたように感じました。睡眠もとれるようになりました。指先で感じとれるようなひどい動悸もなくなり、休まなくても一気に山に登れるようになりました。……以前は決してできなかったことです。
 私は、魔法使いの先生方――ヒロシマの医師、十河先生、杉原先生――に感謝しています。先生方の専門家としてのお仕事に深く敬服もしています。それだけに私の考えを述べておきたいと思います。
 私たちの国、ウクライナには放射能によって病気になった人たちがとてもたくさんいます。できれば十河先生や杉原先生のようなお医者さんに助けていただけないかと思います。すべての人たちが治療のためにヒロシマへ来ることはできません。できるなら、日本のお医者さんにウクライナに来ていただき、現場で病気の人たちを診ていただき、そして、ウクライナの医師たちに針療法や東洋医学の方法による治療を教えこんでいただけないものかと願っています。
 私は感謝の気持ちと共に、どんな病気も共同の努力によって克服できるという希望の気持ちを持って日本を後にします。
                                     1992年8月1日
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JUNOD

Author:JUNOD
ジュノーの会について
「ジュノーの会」は、世界のヒバクシャ支援とくにチェルノブイリ原発事故の被曝者支援に取り組む広島県府中市の市民団体です。会の名前は、被爆後の広島に医薬品15トンを届け、被爆者の治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなんでいます。博士の精神を受け継ぎ、86年のチェルノブイリ原発事故の被曝者支援のため88年に発足しました。会員数は全国に約500人。これまでに延べ約200人の医師を現地に派遣し、甲状腺がんなど1000人以上の患者を診療、一人ひとりの患者さんにカルテ報告を行い、同時に小児白血病治療、血液感染症予防などの医療協力活動、またヒロシマとチェルノブイリのヒバクシャ交流を進めるなど、被災者の側に立った援助活動を続けています。チェルノブイリ被災者市民団体との強い協力関係もあります。

ジュノーの会の郵便振替の口座番号は以下のとおりです。
郵便振替=「01370-0-29460・ジュノー基金」
口座名義は「ジュノー基金」です。ジュノーの会ではなく、「ジュノー基金」です。
通信欄か空白に、「梅ドみ」と明記してください。

他銀行やネットから振込んでいただくときは、以下の振込先にお願いします。
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