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NO.181 福島県からは全員避難しなければなりません~その10・いのちと人権を守る~

NO.181
福島県からは全員避難しなければなりません~その10・いのちと人権を守る~

 あれからちょうど1ヵ月経った。私はやっと以前の日常に戻ろうとしている。咽喉の一番奥のほうにまだ少し違和感があり、その部分がときとして乾燥して咳を誘発するが、それも一日数回程度に減ってきた。早朝に起床して、そのまま一日中いろんな働きをしようとすると、どこかで重い疲れを感じて休まなければならないが、めまいや発熱は感じなくなってきた。「漢方貼剤」がなければ危なかったかもしれないと実感しつつも、再び働けるかもしれないという感触を持ち始めたところである。

 1ヵ月前の8月27日、1時間半の講演を終えた後、引きつづいて1時間半、質疑応答の時間があった。
 最初の質問は男性の方で、「小学生の子どもがいるのですが、福島市からは避難しなければならないでしょうか」というものだった。私は、「もちろん避難しなければなりません。子どもだけではありません。人間はここに住んでいてはいけないはずです」と答えた。残念ながら、他に答えようがない。政府は即座に移住地を確保し避難指示を出して、いのちを守らなければならなかったし、ならないのだ。では、今、どうすればよいのか。それこそを具体的に話し合わなければならないと思っていたのに、それ以上の話にはならなかった。悔いが残っている。質問者の男性の方の悩みは具体的に深かったはずなのに。
 もう一つ、不十分なことを言ってしまったなという思いが残っている。それは、農家の方から、「放射能が暫定基準値内でも出荷をためらう」という発言があったときのことだ。私は、ウクライナの汚染地域の女性たちが、牛乳を安く買いたたかれても、生活のために遠距離まで出かけていって売っていたという話を持ち出して、「あなたがたはウクライナの農婦のようだ」と言った宮沢賢治の一節が別の意味で現実になっている、と答えてしまったのだ。チェルノブイリ被災地の現実と、ウクライナの基準値が日本の暫定基準値にくらべてはるかに低い数字になっているということに注目してもらおうとしたのだが、我ながら不十分にしか話せなかった。暫定基準値で数値が勝手に引き上げられたわけで、それ以前の基準値を守って、それを超えるものについては、ぜひ、東電に買い取らせるようにしてほしいと答えたのだが、現実には山のような困難がある。その諸困難こそが議論されるべきだったのだが……。

 合わせて3時間、誰一人席を立たなかったのは、シャロームの「地元学を考える」講座始まって以来初めてのことだ、と後で聞いた。私は92回目の講座の講師ということであった。
 驚いたことに、「避難しなければならないとはっきり言われたのは初めてです。あまたの先生方が福島に来られて話をされていますが、他の先生方は、どなたもはっきりとは言われませんでした。避難の話になると、いろいろ事情もあるだろうから……となって、結局うやむやになってしまうのです。そこを今日はっきりと聞いたので、ああやっぱりそうなのか、と会場内の人びとの気持ちが引き締まったようです。みんな頭ではわかっているのに、山下先生の『安全だ』という説明がどこかで影響していて、ここに住んでいても安全なんだと思いたいんです」とのことであった。
 エッ? みんな、「避難しなければならない」って言ってないの? びっくりでした。
 
 翌日、安達太良山に案内していただいた。『智恵子抄』の「ほんとうの空」である。
 ふもとからのぼっていく自動車道で、私は恐ろしいものを見た。二本松市にはJICAの訓練所があるとのことで、青年男女が背中にリュックを背負って、その山道を走ってのぼっているのである。なにも、今こんな場所で、肺いっぱいに空気を吸い込まなくてもよさそうなものを……と思っていると、安達太良高原についた。すると、バナナなどの果物や飲み物をいっぱい並べて、頑張れーっ!と叫んでいる人たちがいる。かなりの速度で走りのぼってきた青年たちは、そこで飲み物などを口に入れると、またすぐに山道をかなりの速度で走りのぼっていくのである。この青年たちの頑健な心と身体が10年後、20年後にどのようになっているかと思うと、たいへん辛い。
 残念ながら、霧が出て、「ほんとうの空」を見ることはできなかった。晴れていれば、智恵子が見たとおりの「ほんとうの空」が見えたにちがいない。放射能は視覚的には影響がないはずだ。それとも、伝え聞くように、福島では空も少し黄味がかったり、少しだけ歪んで見えたりするのだろうか。私は、おそらく38度くらいは熱があったような感触で、安達太良山は遠くにぼんやりと霞んでいた。
 ここは冬はスキー場になるリゾート地だ。幼児連れ、子ども連れの若いお父さん、お母さんたちが、うれしそうに“自然”の中でゆったりとくつろいでいる。楽しそうだ。ふつうの日曜日の行楽地の風景だ。私は熱のある身体と頭で、ぼんやりと、これはやっぱり夢の中の出来事だと思っている。とかくするうちに、山登りマラソンの参加者が俄然増えてきたように感じる。若いカップルが手を携えるようにして走っている。かと思うと、意外と年配の走者も交じっている。今日は市民マラソンも行われているのだそうだ。私は、クラクラときて、うずくまってしまった。
 私の体内を衝撃が走った。これはいけない。いくらなんでも、これはいけない。二本松市でこの状態が日常的に続いているのであれば、もう既に日本全体が滅んでいる。人びとは、これほどまで放射能に対して無知だったのだ。

 広島への帰り道は、こうした精神的な衝撃も加わって、さらに激しく咳き込みつづけ、熱を含んだ全身はけだるさと悪寒を呼び込んでいた。そしてこの状態は意外なほど後まで尾を引き、少し書きものなどをすると激しい咳が続き、微熱が出るようになり、もう何もできなくなってしまった。
 死ぬまで止まらないだろうと感じていた私の緊急「梅ドみ」活動は、こうしていったん止まった。ともかくも私はフクシマの人びとに、これ以上は考えられないくらい早く「解毒と免疫力強化」の方法を伝えた。あとは、伝えられた人びとの問題でもある。そう考えることにした。
 チェルノブイリ被災者の苦悩と苦闘を少しでも知っている私は、フクシマの未来であるチェルノブイリからすべてを見てしまう。しかも人口は比較にならないほど日本のほうが多い。私の目に映る光景は、突然エイズ禍に襲われたときのアフリカの村々を連想させる。社会全体といのちと人権の破滅以外のなにものでもない。
 いのちと人権は天与のものである。なんびとも、これを侵してはならない。いのちはあるがままに尊重され、人は恐怖と隷属と不安から解放されて生きるのだ。放射能災害に見舞われた今、日本は、近未来に待ち構えている破滅的な状況を前にして、いのちと人権を守り抜き、世界に対して未来への道筋を示すチャンスを与えられているのである。
 私が生きてどうしてもしなければならないのは「漢方貼剤」の普及であろう。チェルノブイリでも有効な予防策・治療方法は他にはなかった。それはこの私が誰よりもよく知っている。この奇跡の「ヒロシマの知恵」をボランティアで実費ですべての放射能被災者に届ける――そのことが私に与えられた役目であろう。
 幸い、毎日かなりな労働量を要した「梅ドみ」の荷造り・発送も、今では仲間の手で進められるようになってきた。「入浴剤」も作成に常時従事する仲間が出てきて、作成・発送までの手順が速やかになってきた。この流れはもっと進められていくだろう。そのうえ、最近は、動けなくなった私を心配してか、周囲の人びとの動きが少し変わってきたようにも感じられる。もっと多くの人びとが、こうした地道な活動に参加してくれる日が来るような気がしている。
 「決定往生60万人」。まず60万人分の「漢方貼剤」を作って、放射能被災者に手渡すこと。そうすれば、いのちと人権を守る土台を作ることができるかもしれない。今の私は、そのことばかりを考えている。
(甲斐記)
(第一回福島報告終わり)
 
梅ドみ 3/28~9/26(月)
 福島市のNPO法人シャロームと連携して、フクシマの被災者の方々にお届けしています。今後は、他の地域のフクシマ・ヒバクシャの方々からのご要望にもお応えできると思います。
 ≪ここに挙げるのは、購入分のみです。多くの方々が、自家製味噌、自家製梅干し(多量集まりました)、乾燥ドクダミ、無農薬玄米などを現物で提供してくださいました(現在も継続中)。特に乾燥ドクダミは、刈って、きれいに洗って、充分に陰干しをして、適度な大きさに切って、ビニール袋に小分けして詰めるのですが、ここまで結構、時間も労力もかかります。頭の下がる思いのすることもあります。また、購入分につきましては、府中味噌組合3社、ひろしま全農、マルシマ食品等、広島県内の製造・販売元の方々が、利益抜きの奉仕価格で特別に提供してくださっています。≫

残高 -511,799円  収入(梅ドみ募金)3,281,494円   支出(購入分)3,793,293円   
(内訳)味噌 4,140kg 1,181,000円; 梅干・醤油 870,667円; 十穀・黒米 32,991円; 無農薬(無化学肥料)玄米 90kg 38,700円; 無農薬(化学肥料半減)玄米 180kg 67,800円; ドクダミ(茶)、青のり、黒ごま、自然塩(天日塩)、ウーロン茶、ほうじ茶、かき葉、はぶ茶、ワカメ、昆布、ニンジンなど 999,775円; 漢方入浴剤・貼薬材料117,117円;濾紙、ペットボトル27,275円;ダンボール、フリーザーバッグ、粘着テープ、はかり、やかん、容器、アルコール、ハサミ、ピンセット、コットン、レーザープリンターラベル、ペットボトルなど 114,448円;運送費(+郵送費) 343,520円(117回分)

(9/25・日)第116便(ダンボール3箱)
 内訳:(1)マルシマ梅干し2ケース、100%ドクダミ茶4箱、徳用ドクダミ茶2袋、徳用ウーロン茶5袋、カットわかめ(小)1袋、赤穂の塩4袋 
 (2)マルシマ梅干し2ケース、100%ドクダミ茶4箱、徳用ウーロン茶5袋、赤穂の塩4袋、カットわかめ(小)4袋
 (3)マルシマ梅干し2ケース、100%ドクダミ茶4箱、徳用ウーロン茶5袋、徳用ドクダミ茶2袋、赤穂の塩4袋、カットわかめ(小)1袋
(9/26・月)第117便(ダンボール4箱・うちクール1)
 内訳:(1)味噌20kg、100%ドクダミ茶4箱、徳用ウーロン茶4袋、カットわかめ(大)1袋、(小)2袋、すりごま(黒)3袋
    (2)味噌20kg、100%ドクダミ茶4箱、徳用ウーロン茶4袋、カットわかめ(大)1袋、(小)2袋、すりごま(黒)3袋    
    (3)味噌20kg、100%ドクダミ茶4箱、徳用ウーロン茶4袋、カットわかめ(大)1袋、(小)2袋、すりごま(黒)3袋
    (4)ジュノーの会入浴剤(非売品)50本

  みなさん、ジュノーの会・「梅ドみ募金」に力を貸してください。「梅ドみ」とは「梅干し・ドクダミ茶・味噌」のことです。ヒロシマ、ナガサキを生き抜いた人びとの代表的な養生法を紹介しています。
  毎日1個の梅干し(昔ながらの、天日塩とシソだけの)、毎日1杯のドクダミ茶(ウーロン茶とのブレンドで2~3杯)、毎日1杯の(昆布ダシ、ワカメの)味噌汁――これが基本ラインの目安です。これを毎日続けること。(ドクダミ茶については、?飲みすぎに注意してください。おいしいと感じることが目安です。?妊娠中、授乳中の方は医師か薬剤師にご相談ください。)
  砂糖は摂らないようにしてください。黒ゴマ、自然塩(天日塩)、柿の葉、ニンジン、ハブソウ、ほうじ茶(緑茶は避けたほうがいいのです)などを摂るとよいのです。プレーン・ヨーグルトにも排毒の作用があります。あと、免疫力を高める強力な作用のあるのが「青のり」。青のりを天日塩でうすい塩味にして、ふりかけのようにして食してください。 
 ヒロシマ被爆時には、人びとは藁をもつかむようにして、ある人はドクダミを飲み、ある人はナスの味噌漬けを食べ、ある人はカワラヨモギを食べました。今はいろんな食品で排毒する知恵が見つかっていますので、一つ一つの食品については、過度に食する必要はありません。ドクダミ茶や昆布などは、摂りすぎに注意したほうがよいくらいです。
  たくさんのフクシマ放射能被災者の方々が「梅ドみ」「解毒」を求めておられます。国や県、行政の支援は望めません。待っているわけにはいかないのです。ただちに「解毒」を! 遅れれば遅れるだけ危険が増します。
  どうか、全国の非被災地のみなさんの力で、より多くのフクシマの人々に、「梅ドみ」に代表される「ヒロシマの知恵」を届けてあげてください。そして、ご自分でも、「梅ドみ」を入り口にして、「健康」を求める生活を始めてください。

 いま、私たちは何をすべきか。 
 大筋だけをズバリと言わせていただく。
 まず、初期の医療空白の時代には、呆然と待っていたりせずに、ヒロシマ、ナガサキ、チェルノブイリで効果があったと伝えられる療法を可能な限り試みることである。
 次に、政治方面の努力を急いでもらって、一日も早く「全科無料定期検診制度」と「全科無料治療制度」を確立すること、そしてそれを守り抜くことである。そのとき、初めて、現代医学は力を発揮するのである。
 (「ジュノーさんのように」第116号より)
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Author:JUNOD
ジュノーの会について
「ジュノーの会」は、世界のヒバクシャ支援とくにチェルノブイリ原発事故の被曝者支援に取り組む広島県府中市の市民団体です。会の名前は、被爆後の広島に医薬品15トンを届け、被爆者の治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなんでいます。博士の精神を受け継ぎ、86年のチェルノブイリ原発事故の被曝者支援のため88年に発足しました。会員数は全国に約500人。これまでに延べ約200人の医師を現地に派遣し、甲状腺がんなど1000人以上の患者を診療、一人ひとりの患者さんにカルテ報告を行い、同時に小児白血病治療、血液感染症予防などの医療協力活動、またヒロシマとチェルノブイリのヒバクシャ交流を進めるなど、被災者の側に立った援助活動を続けています。チェルノブイリ被災者市民団体との強い協力関係もあります。

ジュノーの会の郵便振替の口座番号は以下のとおりです。
郵便振替=「01370-0-29460・ジュノー基金」
口座名義は「ジュノー基金」です。ジュノーの会ではなく、「ジュノー基金」です。
通信欄か空白に、「梅ドみ」と明記してください。

他銀行やネットから振込んでいただくときは、以下の振込先にお願いします。
   <他銀行から振込む場合の振込先>
   銀行名ゆうちょ銀行
   ■金融機関コード9900
   ■店番139
   ■預金種目当座
   ■店名一三九 店(イチサンキユウ店)
   ■口座番号0029460

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