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NO.113   「キエフからの通信」の人びと――「一家全滅」は珍しくない!

NO.113
「キエフからの通信」の人びと――「一家全滅」は珍しくない!

 キエフのチェルノブイリ被災者市民団体「ゼムリャキ」の人びとがどんな思いで手紙をよこしてくれているか、少しだけでもわかってもらえたら、やがてフクシマで起きる悲惨極まりない悲劇の度合いを、僅かでも軽減できるのではないかと、一縷の望みを託してブログを書きつづけます。
 以下の文章は本ブログNO.10「被災者に僅かでも寄り添って」(はんげんぱつ新聞」第396号、2011.3)の草稿です。字数オーバーのため書き直したのですが、その元の原稿です。「キエフからの通信」の人びとについて、とりあえずは、この草稿から少しだけでもわかってください。

 大惨事から二十五年が経った(草稿)
        甲斐 等(ジュノーの会)


 キエフのデスニャンスキー地区には、チェルノブイリ被災者・事故処理作業者が集住する十階建ての集合アパート群がある。チェルノブイリ事故被災について知りたい人には、まず、このアパート群のどの入口からでもいい、一度なかに入って、住んでいる人々と話してみることをお勧めしたい。各階には二家族ずつ住んでいる。どの入口から入ってどの階に行っても、必ず誰かが亡くなっている家庭がある。一家全員が次々と癌で死亡した後、その関係者が代わって入居しているというケースも少なくない。生きている被災者はどんどん減っていき、地区内の墓地に入る人々はどんどん増えていく。死因の35%がガン、28%が心筋梗塞、20%が脳卒中、そして10%が自殺だとのことだ。孤児になって親戚に引き取られていく「チェルノブイリの子どもたち」は数多い。――以上は、4年半前にこのアパートに泊めてもらったときの見聞で、その後、状況はさらに加速度的に悪化している。
 被曝以来相次いで襲いかかる苦難に耐えて生きてきた人々が、今、「もはやこれまで」というような状況に追い込まれていっている。被災者も事故処理作業者もその子女たちも、誰もが五つや十の病気を抱えて生きてきたが、少なからぬ人々が既にいろんな部位の癌を発症させている。今は、それらの疾患がおしなべて重篤化し、家族に見守られるということもできなくなっている。生き残った家族もまた癌などの重篤な病気にかかっていて、身動きがとれなくなっているからだ。日本社会が同様な姿になる日もそう遠くはないかもしれないけれど。
 ウクライナには健康保険制度はない。無償だった医療は急激に有料化され、無秩序状態となり、理由もわからないうちに高額化していく。被災者や事故処理作業者の年金では必要な薬を買うことも必要な検査を受けることもできない。なかでも手術料の高さは絶望的である。比較的に恵まれた年金額の人の5~6ヵ月分は最低限用意しなければならない。だから人々は菜園や車庫、車、貴重品、つまり一生をかけて手に入れたものを全て売り払って、親戚・知人に借金して、癌の手術代を捻出する。しかし、多くの場合、手術を受けても、やがて他界していくのである。
 これは政府や国民がことさらにチェルノブイリ被災を軽視してきた結果ではない。ウクライナ政府は、日本の「被爆者援護法」に当たる「チェルノブイリ法(通称)」を独立後早くから成立させて、無料の検診・治療・保養などチェルノブイリ被災者保護の施策を打ち出していた。その財政的基盤は「チェルノブイリ税」であった。国内全企業に給与分の12%の拠出を義務づけたのである。しかし、経済の相次ぐ悪化のため、税収は年を追って減少し、ついに一九九九年一月、「チェルノブイリ税」は廃止され、「チェルノブイリ法」はその財政基盤を失った。ウクライナは被災者援護の方針を突き進み、刀折れ矢尽きたのである。ヒバクシャ援護の国際世論を一九九九年までに高められなかった私たちの責任は大きい。
 ジュノーの会では、昨年、而立書房から「叢書・民話を生む人びと」の一シリーズとして、『ジュノーさんのように』の刊行を始めることができた。会報そのままの内容で、完成すると全二十巻になる。「叢書・民話を生む人びと」への仲間入りで、中井正一・山代巴に代表されるヒロシマ民衆との連続性がより鮮明になった。これまでの歩みを振り返り、過ちを踏みしめながら、一歩でも半歩でも前に進みたい。
 当面は、従前通りに日本からの医師派遣を継続し、「ヒバクシャの実情把握→検診→受診者一人ひとりへのカルテ送付→治療費援助→一段深まった実情把握→……」の無限サイクルから成る「検診システム=モデル」を深めるとともに、被災児童二世、三世の日本での保養を改めて始めることで、困難を極めるチェルノブイリ被災者に僅かでも寄り添っていきたい、その糸口だけでも手離さないでいたい、と願っている。
                                (2011.02.28記)


「梅ドみ」募金にご協力ください。「梅ドみ」とは、梅干し、ドクダミ、味噌のことです。
 ジュノーの会の郵便振替の口座番号は以下のとおりです。
  郵便振替=「01370-0-29460・ジュノー基金」
  口座名義は「ジュノー基金」です。ジュノーの会ではなく、「ジュノー基金」です。
  通信欄か空白に、「梅ドみ」と明記してください。
  福島へ、梅干し・ドクダミ・味噌を中心に、「解毒」のための必需品を送ります。

梅ドみ 3/28~5/17   残高 +11,486円  収入(梅ドみ募金)947,632円  支出(購入分)936,146円
(内訳)味噌1140kg 371,000円、梅干・醤油 174,357円 、十穀 24,549円
    無農薬(無化学肥料)玄米 30㎏ 12,900円、無農薬(化学肥料半減)玄米 60kg 22,600円
    ごま、塩、ドクダミ(茶)、ほうじ茶、かき葉、昆布など 214,691円
    段ボール、フリーザバッグ、テープなど15,779円、運送費 100,270円(27回分)

安東さん、河野さん、山本さん、ありがとうございました。

いま、私たちは何をすべきか。 
 大筋だけをズバリと言わせていただく。
 まず、初期の医療空白の時代には、呆然と待っていたりせずに、ヒロシマ、ナガサキ、チェルノブイリで効果があったと伝えられる療法を可能な限り試みることである。
 次に、政治方面の努力を急いでもらって、一日も早く「全科無料定期検診制度」と「全科無料治療制度」を確立すること、そしてそれを守り抜くことである。そのとき、初めて、現代医学は力を発揮するのである。
 (「ジュノーさんのように」第116号より)

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Author:JUNOD
ジュノーの会について
「ジュノーの会」は、世界のヒバクシャ支援とくにチェルノブイリ原発事故の被曝者支援に取り組む広島県府中市の市民団体です。会の名前は、被爆後の広島に医薬品15トンを届け、被爆者の治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなんでいます。博士の精神を受け継ぎ、86年のチェルノブイリ原発事故の被曝者支援のため88年に発足しました。会員数は全国に約500人。これまでに延べ約200人の医師を現地に派遣し、甲状腺がんなど1000人以上の患者を診療、一人ひとりの患者さんにカルテ報告を行い、同時に小児白血病治療、血液感染症予防などの医療協力活動、またヒロシマとチェルノブイリのヒバクシャ交流を進めるなど、被災者の側に立った援助活動を続けています。チェルノブイリ被災者市民団体との強い協力関係もあります。

ジュノーの会の郵便振替の口座番号は以下のとおりです。
郵便振替=「01370-0-29460・ジュノー基金」
口座名義は「ジュノー基金」です。ジュノーの会ではなく、「ジュノー基金」です。
通信欄か空白に、「梅ドみ」と明記してください。

他銀行やネットから振込んでいただくときは、以下の振込先にお願いします。
   <他銀行から振込む場合の振込先>
   銀行名ゆうちょ銀行
   ■金融機関コード9900
   ■店番139
   ■預金種目当座
   ■店名一三九 店(イチサンキユウ店)
   ■口座番号0029460

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